九 月 に 蝶 の 血 は 凍 る

11/3 科学世紀のカフェテラス 紀33にて上映予定


入場料 八百円
文庫版 二百八頁
キャスト

脚本:海沢海綿

演出:きぃ

キャメラ:こずみっく



【あらすじ】
目が覚めた時、宇佐見蓮子は奇怪な部屋にいた
窓のない、矩形の部屋
真ん中に置かれた、ゼネバ機構の映写機
女が語る
ねぇ、貴女、他人の夢は酷く退屈だけれども
ばらばらになった、其の夢を繋ぎ合わせて
何か意味を見出そうと思いますの
だから
映写機が廻る

【黒い蝶】
瞳が震えている。
瞳が、発狂して、
止まってくれない。
浴槽に満ちた、赤い水。
「ねぇ、貴女の食べている、
其れは、私?」

【白い蝶】
純粋階段。
存在している、それ以上の意味などない。
アイス・ピールに満ちた氷。
「何か、氷が落ちてきたみたい」

【赤い蝶】
水没した廃駅。
口の中に満ちていく、
羽化不全の芋虫。
蝶が咲く。
顔の全てを、食い散らかしながら。
「メリーはいない。
だって、私が殺したんだから」

【青い蝶】
赤い水槽。
人形が浸された、
溶け朽ちた
わたし/あのこで満ちた。
青い蝶が導く先。
私は、誰だ。
恋人たちの花。
「私の呼吸が止まると、
其れが貴方の呼吸の始まり」

フィルムが廻る。

フィルムが廻る。





「さぁ、退屈な夢の話をしましょうか」